2018-01-01から1年間の記事一覧

双頭の蛇

双頭蓮の写真を頂いた。1本の茎に双子の花はなかなかお目にかかれない。幸せのおすそ分けのようで、お心遣いが嬉しい。双頭と言えば、小学生の頃、蛇を見たことがある。夏休みのラジオ体操の帰り道、神社のそばの小さな川に、それぞれの口にカエルの手と足を…

石の地蔵さん

美空ひばりの花笠道中は私が生まれて始めて口ずさんだ歌謡曲。10歳位の頃だったか。これこれ石の地蔵さんと呼びかけるように始まるこの歌を夢中で覚えた。ぽっかり浮かんだ白い雲と唄いながら、空の雲をいつまでも見ている子であったように思う。あの頃、石…

迦陵頻伽

随分前になるが中尊寺の国宝、金剛華鬘を描いた。上半身は人、下半身は鳥の姿の一対の迦陵頻伽が美しく透かしぼりになっている。最近、飼っているインコが口笛を真似るように鳴き始め、鳥でもない、人でもない妙なる声音に鳴くという迦陵頻伽の事がおもいだ…

でんでん太鼓

阿弥陀如来を中心にした来迎図の菩薩の持ちものは様々。その中に振鼓がある。今で言うでんでん太鼓。白雲に乗り右手で小さな太鼓を叩き、左手ででんでん太鼓を振りながら先頭をきってやって来る。よしよし良い子と幼子をあやしているような、そんな気がした…

仏画

お寺を訪れた時に何方かが描かれた仏の画によく出会います。わたしも仏画を描いているので、じっくり拝見をさせて頂いております。ある時、とてもさみしくて、かなしげな憂いのある御姿の仏に出会いました。今でもくっきりと目蓋にうかんできます。 見る人の…

阿弥陀聖衆来迎図

阿弥陀如来を中心にした来迎図には、大勢の仏様がいますが、その中にただ一人実在の僧がいます。2世紀の頃インドで生まれた龍樹という人です。頭を剃りあげて合掌の御姿。どうして、お坊さまがと不思議に思いながら描いたものでした。死はただにひとつの通過…

薬師如来

ある時、曼荼羅に薬師如来がいない事に気がついた。胎蔵曼荼羅の中台八葉院には大日如来を囲み八如来が座している。どうしてお薬師様がいないのか先生にお聞きした。返ってきた答えは、「椅子が一つ足りなかったのでしょう」もちろん冗談ですが。 天の川ふり…

地蔵菩薩

母の姉は笑顔のやさしい人であった。何度か泊まりに行った家が雪に倒壊してしまい、叔母は上市町眼目(さっか)にあるお寺に長きにわたり身を寄せた。地蔵菩薩を描き終えた夜、一度も行った事のないそのお寺が夢に出て来た。 ふるさとの雪につぶれしをばの家馬…

仏様は美男

正面を向く、阿弥陀如来を描き終えた。与謝野晶子は 鎌倉や御佛なれど釈迦牟尼は美男におわす夏木立かなと詠んでいますが、仏様は大概男性、立派な髭があります。美男に描けたかなぁ。

お金で買えないもの

地獄の沙汰も金次第と聞きますが、そうなのかなぁ茫と立つわが鼻の先 鬼やんま 時の使ひのごとくとび去る『空とかうもり』より

平和の尊さ

大き柿ほほばりにつつ母の言う平和の味は何ておいしい戦争を知らない私は、母の何気ない言葉から平和の尊さを教わっています。

短歌と仏画

第一歌集、空とかうもりを出版したばかり。仏画は言葉では言い表す事のできないものを、描きます。そんな仏画と短歌を一冊におさめました。

仏画