2019-02-01から1ヶ月間の記事一覧

馬場あき子歌集『あさげゆふげ』より

眼を洗ふこののちくるもの怖けれどわれに残されし時間なほ見ん おそろしと思はば思へ橋姫の面をかけしわれは鬼なり 若沖はああ天人の碧き眼を鳳に与へこの世蔑せり 狂言師「花に目がある」と叫びたり空爆下の生者負傷者死者の瞠く眼 生きるとはつねに未済の…

血が通っている仏

仏画を描く時、尊像の肌は胡粉、丹、黄土淡口の三色に、ほんの少しの錆群青を加えて塗ります。錆群青は肌に血の気を表す為です。尊像は御顔が命、眼、鼻、口、眉と描き入れる時、いつも手が震えなかなかおもうようにならず、先日も落胆していたところ、少し…