2019-11-01から1ヶ月間の記事一覧

齋藤芳生第三歌集『花の渦』

さて私のつくる歌は、私という人間は、と自身に問いている作者。歌集のなかにある濡れるの動詞。パレスティーンの少年、群青の朝顔、朽葉、街、山も濡れているなり。 林檎の花透けるひかりにすはだかのこころさらしてみちのくは泣く あ、まちがえた、とつぶ…

飢餓と餓死

人生最後の食事には好きな物をたらふく食べたい。でも、死にむかっていく体には咀嚼する力、飲み込む力、消化する力、全てが無いに等しく、とても果たされない願望。母を看取りながら切に思ったのは死とは、飢餓状態が続いて全ての生きる力が削がれていく餓…