2020-02-01から1ヶ月間の記事一覧

藤本満須子第三歌集『如月の水』

作者は1939年生まれの「歌林の会」の方。これまで様々な水の歌を歌い続け、それらの水の歌が作者自身の81年間の根幹となっていると、あとがきに記されている。歌集『如月の水』の表紙の表は、流水文様、裏には雪輪文様が描かれている。流水は、しばしば人生…

山内活良第一歌集『赤方偏移』

山内活良氏は短歌結社「歌林の会」で共に学んでいる同年輩の方です。山内活良氏の故郷は北海道の美深町。一昨年になるが私は第一歌集『空とかうもり』を出版した折、大変御丁寧なお手紙を頂いた。私の亡き母の出生は網走の津別町、生前母と共に北海道へ二度…

椿

私は椿が好きだ。特に籔椿の紅色が何とも言えない。1997年発行の馬場あき子第16歌集『青椿抄』のあとがきに次のような一文がある。一部抜粋してみたいと思う。 いま私の眼前にも、椿の青い蕾が日々にふくらみをましている。たとえば『新撰和歌六帖』に、「い…