2019-08-01から1ヶ月間の記事一覧

江國梓氏、第ニ歌集『桜の庭に猫をあつめて』

いつの日か我が家も空き家となるのだらう桜の庭に猫をあつめて 花山周子氏の装幀の表紙には五匹の猫が描かれている。猫ではあるが人でもあって。そこに暮らしていた家族の思い出のように温かい。 本当にあつた怖い話をするやうにきみのことずつと好きだよと…

川島結佳子氏、歌集『感傷ストーブ』

今年四月の歌集出版を祝う会にて受付を担当して下さった。歌集『鈴さやさやと』を出版されていた佐山加寿子氏との合同の祝賀会であった。その折、近々歌集をお出しになるとお聞きしていた。若々しい感覚に出会えて嬉しい。 ハードルは高齢化にて低くなりアラ…

水谷文子歌集『どなた』

水谷文子氏の歌集が手許に届いた時、私は母を亡くしたばかりであった。『どなた』は、わが母に〈どなた〉と問はれふるさとにことば失ふわたしは〈どなた〉のお歌からつけられている。私は直ぐに開いて読むことが出来なかった。きっと涙でぐしょぐしょに濡ら…