2021-01-01から1ヶ月間の記事一覧

望月孝一第二歌集『風祭』

御歌と随筆、書評が収められており読み応えのある御歌集。歌集名の『風祭』は望月氏の御両親が疎開され、著者の古里でもある神奈川県小田原市風祭の地名をタイトルとされた。 山行に薄雪草のバッチつけいつも笑むひとその花なくす 若き無着は石もて追われし…

高尾文子第六歌集『あめつちの哀歌』

高尾文子氏は歌林の会、創刊会員の方。あとがきに、戦争、分断、差別、貧困、虐待、そしてまさに目前の疫病まで、紀元前に語られた風景が、はるか久遠の時空を超えて、紀元後の今日の風景に投影されている、又、どの世紀にも人間の普遍のかなしみが充ちてい…