双頭の蛇

双頭蓮の写真を頂いた。1本の茎に双子の花はなかなかお目にかかれない。幸せのおすそ分けのようで、お心遣いが嬉しい。双頭と言えば、小学生の頃、蛇を見たことがある。夏休みのラジオ体操の帰り道、神社のそばの小さな川に、それぞれの口にカエルの手と足をくわえて取り合っていた。怖さよりも何だか、かわいそうに思えて親にも誰にも言わず、ずっと胸の内に仕舞い込んでいた。 

蝙蝠のさまざまに飛ぶ夕ぐれに空のふかさをわれはみてゐる  歌集『空とかうもり』より