仏画にもある“擬き”

もどき、という言葉で先ず思い浮かべるのは、がんもどきでしょうか。似せて作ること、似て非なるもの、この場合は雁の肉に味を似せたところからとの一説もあります。虫の世界にも、人の世界にも○○○もどきがありますが、実は、仏画の世界にもあります。私自身仏画を描いているので、様々な場で仏画に出会う事が多い。その時、作画家のお名前が入っている事が、ままある。仏画は本来御経に忠実に描かれていて、拝む対象のもの。自分の名を入れると自分自身を拝む事になる。だから、名前は入れない。仏画日本画、つまり“仏画もどき”が案外横行している。