普賢菩薩と文殊菩薩

釈迦三尊像は、釈迦如来、脇侍に文殊菩薩普賢菩薩の事、文殊菩薩は獅子に普賢菩薩は白象に乗っているお姿が多い。仏画普賢菩薩像のなかでは、東京国立博物館の国宝が特に素晴らしい。初期の仏教は女人は穢れを連想させるという考えがありました。やがて時代がすすみ、女人も、誰もが、平等に信仰でき成仏出来る法華経が伝えられ、特に普賢菩薩は女性の篤い信仰をあつめたそうです。普賢は仏になる前は、女性であったとも。遊女が普賢菩薩になって西の空へ去る能の曲目、江口が思い出されます。

梅内美華子歌集 『若月祭』から

宗達の描きし白象三日月型の目を上げておりこの世歪めり

夢に来る普賢菩薩の乗り物のかなしき鼻は雪に濡れおり

   歌集『夏羽』から

普賢といふ白梅散つて春の闇 三日月の目に象わらふなり

 日高堯子歌集『睡蓮記』より

知力のかなしい幽霊としてもんじゅ·ふげんを葬る日あるや